数年前、初めて生徒と会ったときのお話です。
その年の暮れに、お母さんにご来所いただき、ご相談をお受けしました。
中学2年生の男子、不登校歴1年弱。性格は、先々の不安を強く感じて動けないタイプ。家族以外とは誰にも会わないようになり、自室にひきこもってしまった。担任の先生や、学年主任の先生、カウンセラーには会わない。親戚にも会わない。お父さんとも口を利かなくなってしまった。私(母)とも学校の話題になると話さなくなるので、不登校についての話題は避けている。本人は「学校に行かないといけない」と言ってはいるが、行かないし、行けそうにない。
というご相談でした。もちろん他にも様々な内容をお聞きした後、本人には趣味ならば会える見込みがあると判断しました。
最後に本人の趣味は何ですか?とお聞きすると、
「コール〇ブデューティ(ゲームソフト名)が好きです。というよりそればかりやっています。最新作は持っていないのですが」とお母さんが回答してくださいました。
そこでステップでした対策は、「PS4本体と最新作のコール〇ブデューティを持参するから、一緒にやろう、学校の話は本人がしたくなるまでしません。もし嫌だったら一度会っただけでやめて良い」というメッセージをお母さんから本人に伝言してもらいました。
もちろんすんなり会えました。本人は快諾し、普段入らなくなってしまっていたお風呂にも入り、準備万端で待ってくれていました。緊張していたのは最初の5分くらいで、そこからはずっとゲームをしながら楽しそうに話してくれました。
講師の方がコール〇ブデューティが上手だったので、生徒は感動してくれ、本人から「次はいつ来る?」と聞いてくれました。
他の生徒でも、エアガンが好き→大人向けのエアガンコレクションを持っていく。あるアニメが好き→そのアニメを観て、Tシャツを着ていくといったことをしています。
もちろん、趣味の話題では会えない生徒も少なからずいます。そういった場合は、また他の方法で会えるように仕掛けしていきます。