以前の生徒の話です。中学生男子です。
ある日、その生徒は、お母さんとのやり取りの中で早とちりをしてしまい、ケンカになってしまいました。振り返ると些細なケンカなのですが、母子関係が元々不安定だったこともあり、「生まれなければよかった」といった内容のケンカにまで発展してしまっていました。
生徒は、ケンカの途中で「もういいわ!」と自室にこもり、落ち込みました。そこで携帯電話を見ると、ラインのトーク履歴の上位にステップのt担当の名前があることに気づき、以前その人にしんどいことがあったら何時でもいいから連絡しておいで」と言われていたことを思い出しました。
その生徒からは「お母さんとケンカしました。今度話を聞いてください。」とのラインを送りました。
そうすると、担当から「了解。ドンマイ!どんなケンカだったの?」と返信が来ました。生徒からは「今度でいいです。大した内容じゃないです」と返しました。
その生徒はステップに入る前は、お母さんと大きなケンカをした後は、自分はどんなに悪い子で、母親に愛されていないか、不幸なのかを再確認したり、昔のトラウマを思い出し、ずっと泣いたりする日々を数日繰り返すことがよくあったそうです。
今回、本人が頑張って担当に連絡してくれたおかげで”今度話せば良い”という状況ができ、つまり”今考えなくていい”という心理状態を作ることができました。すぐに眠れたそうです。
ちなみに、お母さんもケンカのあと、「まあステップの人がなんとかしてくれる」という安心感から本人の部屋に行って話し合おうとはしなかったそうです。
小さな変化のように見えるのですが、その小さな心の余裕をステップの担当が作っているおかげで、その後も度々モメながらも、母子関係は回復に向かっていきました。