不登校の原因がわからない方へ

不登校の原因となるものの中には、かなりわかりにくいものがあります。こちらでは、ステップでよく担当しているケースをご紹介しています。

 

①起立性調節障害、起立性低血圧症

起立性調節障害、起立性低血圧症

立ち上がるとすぐに血圧が下がる人の他に、立ち上がって1~2分して血圧が下がる症状の人もいます。
運動不足で発病している場合や、塩分不足、運動不足で発病するケースもあります。
身体症状として出てくる様子が自律神経失調症と似ているため、よく誤診されます。自律神経失調症の対策でうまくいかない場合は、起立性調節障害等を疑うのがおすすめです。
また、気圧が上下する時期、3~5月、9~10月の間に自律神経失調症の症状が出やすくなります。頭痛や腹痛などの体調不良、長時間睡眠、不安感などといった症状です。ちょうど、新学期の時期なので、人間関係や勉強がうまくっていなかったり、新しい環境に弱かったりすると、不登校になってしまいがちです。

以前の生徒では、このようなケースがありました。

・対人恐怖からひきこもり状態になり、運動不足なために歩く量が足りず、筋力が下がってしまい、起立性調節障害になっていたケース。
・祖父母と同居している家庭で、減塩の食事が健康に良いと、生徒の食事も減塩にしてしまっている。そのため、摂っている塩分が足りず、塩分不足になり、そこから血圧が下がっているケース。

基本的には、このような対策をします。
メンタルケアで社会的な落ち込みを回復
筋トレで血圧の根本的な原因を対策
血圧をあげる薬でとりあえず動けるように対策。
自律神経を整える対策。

気を付けてほしいことがあります。
この起立性調節障害等に限らず、メンタルケアや社会復帰するための対策を本人が拒否することがあります。社会復帰すると、本人が苦しくなることがわかっているからです。ぜひ社会復帰してもしんどくない状態を作ってあげることで、本人が安心できる状況を作ってください。

また、不登校の初期には、病院でも起立性調節障害から自律神経失調症が出ているのか、不登校の不安から自律神経失調症になり、血圧が下がっているのかがわからないケースが多くあるようです。そのため、まずはメンタルを回復させてみて、それでも体調不良が残ったので、起立性調節障害だったね、という診断の方法を取ることがあります。このやり方では長期化する可能性が高く、本人もしんどいです。とりあえず薬を出してもらう等、起立性調節障害の対策をしてみた方が結果がでるのが早く、おすすめです。

また、起立性調節障害等の場合、メンタルケアは必ず必要ということも知っておいて欲しいです。起立性調節障害の場合、原因がわからないのにどんどん社会生活ができなくなり、学校で勉強や人間関係が悪化していきます。そのため落ち込んでいる生徒が多く、メンタルケアは必要なのです。

②ストレス反応のクセが悪い

パーソナリティ障害、愛着障害、境界性人格障害などと色々な怖い呼び名で呼ばれていますが、要約すると、「ストレスを受けると、あんまり良くない方法のストレス抜きをしてしまったり、極端な方法でストレス回避してしまったりしちゃうクセ」です。

例えばリストカットをしてしまっているケースもこのケースに当たります。以前のケースでは、対人恐怖のストレスに耐えるためにリストカットしてしまう場合さえありました。

パーソナリティ障害等について詳しくはこちらをご覧ください(外部リンク)

 

③摂食障害(拒食症、過食症、過食を伴う拒食症)

意外かもしれませんが、摂食障害は不登校の原因になります。

詳しくはこちらをご覧ください。

 

④保護者の子育て手法に脅迫や言葉の暴力を多用しているケース

基本的に、保護者の子育て方法が、多少間違っていてもそんなに子どもがゆがむことはありません。保護者も人間なので、失敗することはありますし、それくらいで子どもがゆがむことはありません。

子どもが友人や周りの大人に話してゆがみを訂正することもできます。(私も「母親に〇〇って言われた!うちの親、頭おかしいわ!」と怒って友達に話したりしていた中学生時代もありました)みなさんある程度はあるのではないかと思います。

ただ、脅迫や、言葉の暴力を多用している場合は子どもはゆがみます。子どもと保護者の性格が違う場合によく起こるようです。子どもが何を考えているかがわからず、子どもに保護者が望む行動をさせるために、説得する場面が増えるからだと考えています。

例えば、ちゃんとしてほしい母親に、気分屋で後回しにする性格の子どもがいる場合があります。お母さんにとってはリビングのコタツに置かれ昨日のコップなんて見るに堪えないことでしょう。ケータイばかり触り、何度も優しく持ってくるように声掛けし、少し強めに言ってもキッチンに持ってこない子どもに、つい言ってしまいます。「持ってこないとケータイ取り上げるわよ!!」そんなつもり無いのに言ってしまうんですよね。もちろん子どもは恐怖でコップを持ってきてくれます。既に怒っているため褒めることはありません。

子どもは恐怖で動けるようになりますが、決してスキルは育ちません。恐怖が無いときは動けない子が育ってしまいます。

このケースの場合、お母さんとしてはあまり問題視していないばかりか、日常的な光景なので、家族も本人も慣れてしまい、誰も気づかない場合さえあります。

子どもが不登校になり、不登校の勉強を始めると「もしかして・・・」と思われる場合は、これかもしれません。ちなみに、週に1度以上「〇〇しないと××取り上げる、××してあげない」等という言葉を使っている場合は、当てはまります。

 

⑤アレルギーで動けない

アレルギー反応で体が動けなくなる場合があります。アレルギー反応といっても様々な症状があるからです。自律神経失調症や過敏性腸症候群のような身体症状が出る場合があります。頭痛や腹痛、下痢、といった症状です。

そういえば小さいころにアレルギーあったな、という方、お気をつけください。

⑤-2 ストレス耐性が高すぎる

小さいころにアレルギー皮膚炎を患い、かゆみに耐えていた生徒の場合、ストレス耐性が異常に高いことが原因で不登校になっているケースがあります。

ストレス耐性が高いので、大きなストレスに耐えられてしまい、メンタルが崩れないのです。そのため、メンタルよりも先に体や無意識が崩れてしまい、頭痛などの身体症状や、ある日突然起きれなくなる睡眠障害などの症状が出てしまうことがあります。

⑥人間関係が昨年よりも面白くない

人間関係の面白くなさは、”昨年との比較”により意識します。”平均的にマシなクラスだな”とはなりません。昨年に比べて面白いかどうか、ということが最も大きな判断基準となります。

例えば、小学時代は人間関係がうまくいっていなかったのに、中1でスクールカースト上位のグループで上手くいって、すごく楽しく自尊心が上がったが、中2のクラスでは人間関係がうまくいかなかったため不登校になった、というケースがありました。中1以外は人間関係がうまくいかないことが、その子の中では普通だったのに、中1でうまくいったために、中2がすごく辛いクラスとなってしまったようでした。

⑦発達障がい(軽度、中学~発症)

 

⑧冬季うつ

 

⑨過敏性腸症候群