趣味に没頭して、他のことをしなくなるタイプです。
ゲームやyoutubeはもちろん、その他にアイドルや読書にハマる生徒も多いです。

ゲームやyoutubeにハマっている生徒、お父さんお母さんから見られていて、不安ですよね。勉強しないし、話もしない。雑談の量もどんどん減っていく感じ。どうなっていくんだろう。。。なんて思ってしまいます。

読書なら良いか、なんて思ったりしますが、読書にハマると、ずっと読んでいます。図書館に行くと、貸出数の制限まで借りてきて、それをずっと読んでいます。まるでこの現実の中に居ない子みたいな感じがします。アイドルも近い状態になります。今やアイドル戦国時代なので、さまざまなアイドルが無料で生配信をしてくれます。(showroom等)様々な配信サービスがあり、そこでアイドルと直接コミュニケーションが取れるのです。アイドル自身の今日のエピソードを聞いたり、質問をチャット(文字)でして答えてもらったりと、まるでテレビ電話です。どんどんハマっていきます。そのアイドルのために人生を生きるようになります。


このタイプの対応で大切な前提
①趣味にハマりすぎている=最大の刺激と安定がそこにある。
人間は刺激と安定が繰り返される状態を一番幸せと感じます。刺激(少しの不安→考えて対策)から安定(平和で楽しい)が交互に来ると、ヒトという生物は幸福を感じるような仕組みになっています(心理学です)。
だから、不登校になって、強い不安があると、現実逃避として、ゲームや趣味にハマるようになります。
さらに、その趣味には、刺激の他に安定も組み込まれています。だから、幸福を感じ、抜けられなくなるのです。単純に現実よりも幸せなのです。私個人のケースだと、みのもんたの『思いっきりテレビ』は、不安と安定が繰り返されるようにできています。病気の特集(刺激)→健康ジュースの通販(安定)→夫の不倫や姑との問題(刺激)→おすすめのお店特集(安定)、のように、刺激→安定が繰り返されているのです。見るだけで幸せになれる番組でした。
②趣味をやめさせると、余計に不幸になる。
趣味の中が現実よりも幸せ→趣味をやめさせれば現実だけになり、向き合うのではないか、と考えるタイプの方がいらっしゃいます。
100%うまくいきません。人間は一度味わった幸福を忘れることはできないのです。
町に、料理の下手な居酒屋と、絶品の居酒屋があったとします。当然絶品の居酒屋が繁盛するのですが、忙しすぎて、絶品の居酒屋の店主が体調を壊し、閉店したとします。
次の食事はどこにしますか?
1.町の料理の下手な居酒屋に行く
2.町の外の美味しい居酒屋を探す
おそらく皆さん2を選ばれたと思います。
人間は一度味わった幸福を忘れることはできないので、幸福があると知ってしまうと、その幸福を探してしまうのです。
もちろん不登校の中高生や若者も、同じように、他の趣味を探すだけになってしまいます。
ステップでの対応方法
ステップで行っている趣味ハマりすぎ系の対応方法のコツは、①ストレスコントロールと②暇の管理、③趣味の仲間です。
ゲーム依存は別の対策もしますので、詳しくはこちらをご覧ください⇒リンク「ゲーム依存対策」
①ストレスコントロール
ストレスが溜まりすぎている状態では、目の前のストレスに対応するだけで、精いっぱいです。
ストレスが溜まりすぎると、ウツ等の病気になるため、ストレスが溜まりすぎないように、心がその対応を優先します。
ストレスが「日常的に溜まりすぎない状態」を作ることが大事です。
その状態を作るために、本人のストレス状態やため込む流れを確認した後、本人の趣味をストレスが抜ける状態に変えていきます。
無料ゲームは、ハマればハマる程、少しストレスが溜まるように設計されています。コツコツやりすぎて、ゲーム依存の子たちは、疲れ、ストレスが溜まっているのです。それを終わりのあるゲームに変えることで、ちゃんと面白い趣味のゲームに戻ります。
また、複数の趣味をやることも必要です。依存度は、複数の遊びをすることで下がります。
②暇の管理
暇はかなり良くないです。真面目な性格の子は、暇な時間に不登校のことについて自分を責めるからです。暇な時間が多いほど、ウツの傾向が高いように感じます。
不登校のときに一人で考え事をしても、前向きな解決策なんて出てきません。過去の失敗を後悔することは得意ですが、未来の創造的な解決策は苦手なのが人間なのです。
考え方も知らないのです。新しい発想のやり方なんてもっと知りません。ブレーンストーミング、マインドマップ、性格に合わせた発想のスキルなんてのも知らないのです。そんな状態で暇になったからといって、前向きな発想はできません。
以前、いじめられて不登校になったのだから、それをどうにかできるまでゲームや楽しいことは禁止するよう指示したお父さんがいました。いじめがどうにか出来たら、それはもう日本トップクラスの専門家です。しかもそれを一人でできるなんて、大学生でも無理です。
話が脱線しました。
とにかく暇を埋める必要があります。
本人が考えてしまう時間を1日1時間以下に抑えるのが目安です。
アニメでも、マンガでも、小説でも、ゲームでも、パズルでも、音楽でも、作家活動でも、絵師活動でも、何でも良いのです。
とにかく現実逃避でも良いので、趣味を増やしてあげてください。
ステップの過去の生徒では、図書館でひたすら本を借りる、中古のゲームをたくさんクリアする、料理をする、小説をたくさん読む、みたいな例があります。
③趣味の仲間
趣味は、仲間がいると何倍も楽しくなります。
一人でやっているよりも、人と共有することで、楽しいことはより楽しく、失敗も楽しく変わるからです。
ステップでは、趣味の仲間になるところから支援がスタートします。
ゲームの上手なスタッフはたくさんいますし、アニメの話、小説の話、なんでもできます。
その後安定してきたら、同じ趣味の生徒とつないでいきます。そうすることで、楽しく趣味の話ができるようになり、現実逃避だった趣味も遊びに変わり、どんどんストレスが減り、自立への意欲が湧いてくるのです。