進学校の不登校 価値観の迷い

不登校の原因について変化

ステップでは、おかげさまで進学校(高校)の不登校の生徒をたくさん担当させていただいています。

ここ数年で不登校の原因について変化があったのでここに書こうと思います。

最近、進学校の高校生に特に多い不登校の原因が、「中学で良いと言われてなんとなく進学校(高校)に進学したけれど、何もしたいことがない」というものです。

中学までは、ほぼ楽しく過ごしてきて、家族関係もほどほど以上には良い。高校に友達もいないわけではない。
だけど高校に進学した後、勉強にやる気が出ない。
という状態です。

もちろん、ステップで勉強を教えてみても、すぐに理解しますし、支援して安定した後も、良い大学に進学しますので、
一定以上の能力はあります。むしろ進学校の中でも高いくらいだと思います。

その原因は?

このタイプの生徒に会うたび、何が原因なんだろう、と考えてきました。

ある事に気づきました。
中学の段階で、成績が良いか悪いか・友達が多い少ないか、は生徒ごとに様々なのですが、
共通する部分が一つあるのです。

それは、進学校に進学できたのは、自分の力だと思っていない、という事です。
もちろん、勉強して成績を上げ、中学では20位以内に入ったり、試験前に勉強を頑張ったのは本人なのですが、
それもこれも、自分の意志ではやっていない、と言うのです。

これは驚きでした。
ある程度他の人の考えに流されて、指示されて行動することはあると思います。
特に学生時代は、すべて自分の意志で立ち止まっていては、大変だし、進まないし、流されることや指示されることは大事だと思います。
でも、高校進学という人生の大きな方向性も他人が決めているとしたら、それは自分の人生だとあまり言えないと思います。

高校を選ぶ際には、ホワイトカラーを目指して大学進学したいのか、ブルーカラーを目指して工業科や商業科に行くのか、等のたくさんの選択肢を、なんとなくでも自ら選ぶ段階が必要です。

その子たちは、その段階を通らずにきたのです。

実例

ある生徒は、中学の授業中も家でも全く勉強しなかったのですが、塾の先生の自由な考え方が好きで、その先生とだけなら勉強していました。
地域一番の進学校に進学したのは、その先生がおすすめしたから、とのことでした。
もちろん、高校入学後の生活は勉強のみになってしまいます。最初はそれでも頑張っていたのですが、数日で挫折してしまいます。

そこで気づいたそうです。
勉強好きじゃなかった!

授業や内容は理解できるし、成績も悪いわけじゃない。
でも、勉強する意味がわからないし、そもそも大学に行くって必要なの?
じゃあ、何のために進学校に行くんだろう。
などと考え始めたそうです。

これは中学生の高校選びの際に考える内容ですよね。

考察とまとめ

私も進学校(高校)に通って不登校になったりもしたのですが、人生を迷ったりはしませんでした。
私はなぜ高校進学後にそのことを悩まなかったのか、と考えると、長渕剛(歌手)のおかげだったんだと思いました。

「自分の人生の船の舵を自分で握れ」という歌詞(『Captain of the Ship』という曲です)が大好きで、自分の人生を自分で選んで進んだからだと思います。

それに、小学生の時に不登校をした影響で、親が私の選択に口を出さないようにしてくれていたため、
私の判断に親の考えも入りにくかったんだと思います。

昔に比べ、保護者が子どもの情報をたくさん持っているため、子どものことを判断しやすくなっていることも要因の一つだと思います。

子どもが自分で選択すると、自由を獲得でき、幸福度が増します。

ぜひ、自分の人生は、自分で選びましょう。