⇒不登校・ひきこもり問題の解決方法 具体策3
不登校・ひきこもり問題の解決方法 具体策3
不登校支援は誰のためのものか?
不登校支援は本人のためは間違い。
本人は、不登校前半の時期は、支援を求めていない。
休み始めたばかり(週2日以上の欠席が始まった)の時期は、本人の苦しさが限界を超えています。新しい人(支援者)との関係や回復のための追加の行動はできません。余計にストレスを抱えてしまうリスクがあるからです。例えば、学校の人間関係がしんどい状態で、なんとかたまに学校に行っているのに、そこで友達を作るために話しかけよう、なんてできません。断られた時に辛い思いをしてしまうからです。
(だから、ステップでは、この時期は、本人に会うよりも良い他の方法で支援をスタートします)
本人目線では、支援はワルモノ
一般的に、不登校の本人が支援を求め始めるのは、
- 社会復帰をしようと思う。
- 社会復帰に困っていると思う。
- でもあきらめない。
との3つの状況が重なった時だけです。
それは、不登校の回復の段階では後半にあります。それまでは、支援を求めません。求めるとしんどい→回復したくない→自分で対策を考えたい→自力では無理だと気付く→でもあきらめない、という段階を通って初めて、自分から支援が必要だと思えます。
そうすることで、スムーズに支援を始められます。
本人が主導権を握れば、進むけど遅くて不確実
不登校からの回復を本人に任せる手法が一般的。
世の中のほとんどの不登校支援者が、「保護者は見守りましょう。」「本人の力を信じて、、、」などと言っています。
確かに、本人主導にする手法は、保護者からの影響によって回復が進まない部分は解消できます。そうして本人が自由に回復して試行錯誤して、最終的には社会復帰するというやり方です。
でも、まるで、”保護者が子どもの成長を邪魔していた”ような感じがしますし、”子どもの成長には保護者の影響はほとんど必要ない”かのような印象すら受けてしまいます。
それは絶対に違うと思うんです。
でも世の中の不登校支援のほとんどがこの方針になっています。
本当にそれで良いのでしょうか?
以下に、本人主導ではまずい3つの理由をご説明します。(これは長いので、また別にページを作ります。)
①本人主導では遅い
本人主導では、不登校の問題点解決を、本人が試行錯誤しながら進めていきます。
だから、本人が解決方法が分からない場合、対処を保留にします。不登校からの回復はそんな難しい問題をたくさん解決する必要があります。例えば「友達を作るためにどう話しかけるか」なんて、ほとんどの中高生は知りません。
②本人主導では、回復するか不確実。
本人主導では、確実に回復するかは、分かりません。
関係者の全員が、どうすれば回復するか?とはっきりと分からないまま、本人が不登校を解決しようとするからです。
「それはマズい!」と分からないのです。だから「3年見守りましたが、何も変化が無くて」とご相談を受けることがあります。
見守っていて本当に回復するか、数年しないと分からないのです。
③本人主導では、キャリアが実現できるかは、微妙。
不登校からの回復パターンはいくつかあります。正解のルートと不正解のルートがあります。
本人主導で不登校から回復するということは、その正解ルートにたどり着くまで、試行錯誤しなければなりません。その試行錯誤にかかる時間は、最初の方に正解ルートを選べるかどうかによります。運の影響が大きいと思います。
また、幸せを実感するためには、自己実現が必要な社会になっています。そのためには、自分がある程度以上は納得できるキャリアを達成する必要があります。
この世の中は、キャリアを達成するまでの時間は、有限です。(夢にはいつでも挑戦すべき、のような理想を否定するわけではありません。)
リスクを含んだ挑戦には、時間的な限界がある、ということを言いたいのです。例えば、売れないお笑い芸人を続けるためには、様々なことを犠牲にしなければなりません(個人的には、錦鯉さんは好きですが)。東大生になるのも、医学部に入るのも、起業するのも、宇宙飛行士になるのも、ユーチューバーになるのも、時間的限界はあります。
(キャリアの有限性について詳しくは『あやうく一生懸命生きるところだった』ハ・ワン (著), 岡崎 暢子 (翻訳)をご参照ください。)
つまり、キャリアを実現できるかどうかよりは、キャリアを実現するのが間に合うかどうか、という考え方も必要です。のんびり不登校に試行錯誤していては、キャリアを実現するための時間が残されるかどうか、微妙なのです。
ステップでは、できるだけキャリア実現のために時間を残せるように、早く不登校が解決した方がいいと思います。
不登校支援は保護者のためのもの
不登校は保護者が一番困っている。
現実的には、不登校には保護者が一番困っていると思います。
子どもの将来が不安で心配だったり、学校への送迎が増えたり、子育ての方針を変えなければならなかったり、親戚からのプレッシャーを受けたりと、様々な時間的・精神的な困りごとがあると思います。だから、一番困っているのは、保護者、特にお母さんが困っています。(もちろん、本人は困っていないと言っているわけではありません。)
不登校支援は、保護者にとってのメリットが一番大きい
不登校支援には、早さと確実さがあります。本人主導には無いものです。
親子で一緒に不登校からの回復を試行錯誤するのは、良い事だと思いますが、大変すぎる問題だと思います。
愛情を伝えることに力を注ぐ
不登校支援を受けると、保護者が担当する必要のある部分が絞られます。
それは、「親である」という部分に絞られます。
カウンセラーやコーチのような、本人を回復させて導くようなスーパー保護者になる必要はありません。
本人が愛されていると伝える親になれば良いのです。それは難しいことではありません。(その愛情の伝え方も、不登校支援者が教えることができます。)
他の部分は、プロに任せられる
保護者の方は、親として、愛情を伝えることに力を注いでいただければ、本人は自分の人生を良くすることを頑張ってくれます。(これを自尊感情・自尊心・自信が高いと一般的にいいます。)
本人の回復までの過程を計画にして進めたり、回復させたり、導いたり、教えたりする役割は、支援者がすればいいと思います。早く確実に進めることができます。
不登校の一番しんどい時期をフォローする技術は、親として、その後の人生には必要ではありません。将来子どもがつまづいても、普通に相談に乗ってあげれば良いだけです。不登校以上のしんどいつまづきはほとんどありません。
プロの方が経験が多いから本人もスムーズ
プロの不登校支援者が支援を行うと、不登校からの回復段階の一つ一つの対策を、楽しく楽に進めることができます。
それは、たくさん経験してきたからです。
ステップでは、毎年60~100人の生徒を支援しています。その経験が溜まっています。初めて不登校支援をされる保護者の方の支援よりも、当然、楽しく楽に回復させることができます。
最初の時期は、特に保護者のため
まとめると、最初の時期は、不登校支援は本人のためでもありますが、保護者のメリットが一番大きいと思います。本人は不登校になることで安定を得ていて、社会復帰のための働きはしんどいことの方が大きいからです。一方保護者は、上手くいくか不安なまま対策を進めるということをせずに済みます。そのメリットはかなり大きいと思います。
でも結局は、本人のため
ただ、結局のところは、不登校支援は本人のためです。
不登校の最初の頃の安定を壊されたくない本人のためではありませんが、少し落ち着いてきた後の本人のためだし、本人の将来のためです。
将来、本人が楽しく安定して生きていけるように、不登校支援を行っています。
親の愛情として、不登校支援を選択いただくと考えており、それに応えられるようにステップでは頑張ります。