どうも。NPO法人ステップの原です。
6年前に大学進学して卒業した生徒から、「年収を計算したら、大卒平均を超えていました。」とLINEがきました。
本当にうれしいです。
うれしすぎてその思いをブログにします。
不登校支援は、ゼロに戻すことではない。
敵を作ってしまう意見だと思うのですが、
不登校支援は、不登校になる前の状態や、普通の状態に戻すことではない、と私は強く思います。
「社会で生きていけない」という私の絶望
私は不登校になって、学校が合わないと気付いた時、絶望しました。
この学校を軸に教育をされている国で、学校が合わないということは社会不適合者であることと同じ意味と分かっているからです。(笑 小3の時です。生意気で可愛いですね)
これに気づいたショックは大きく、今でもはっきりと覚えています。
そこから数か月の間、何度も何度も社会不適合者の自分と向き合い続けました。
そんな思いは生徒にさせたくない。
不登校支援を開始して、多くの生徒たちも「自分は社会不適合者だから生きていけない」と口にしました。
そんな思いをしなければならない不登校の状況を変えたいと、強く何度も思いました。
だから、その思いをちゃんと実現できるようにと心がけてきました。
不登校からより良い人生に。
10年くらい前から「せっかく不登校になったんだから」と口にするようになりました。
・不登校になったということは、今までの方針ではうまくいかなかった。
・だからすぐに学校に行けるようになっても、同様にうまくいかない。
・せっかく不登校になったんだから、時間をかけて人生を立て直そう。
・せっかく不登校になったんだから、良い人生になるよう改善しよう。
という内容を話すようになりました。
不登校になる前の人生ルートよりも、良い人生ルートに。
この2つを比べます。
- 不登校になる前の人生ルートで、しんどいまま耐えて、学校に通い続けた先の人生
- 不登校になって、人生がうまくいくように改善した後の人生ルート
どちらの人生が、より良い人生ルートか。
もちろん不登校になった後の改善した人生ルートの方が良いのです。
だから、7-8年くらい前からでしょうか、生徒の人生ルートが良くなるように、対策をしてきました。
「人生を改善した方が良い。」
そんなこと、当然なのですが、なかなか保護者に説明できませんでした。
不登校を経験すればわかるのですが、不登校になった事のない方にご理解いただくのは、難しかったのです。
だから、不登校から良い人生ルートに入れるような支援をどのようにやっているか、説明できるようになるまで、膨大な時間が必要でした。10年かかりました。
最近、その方法を説明できるようになりました。
(コロナの濃厚接触者になり、ホテル隔離され、合宿した時にマニュアルを作ったからです)
・「ステップは人生を改善できます。」
・「だから、ちゃんと立て直せるように少しだけ時間をください。」
と、今なら、心から自信をもって話すことができます。
他の不登校支援団体との違い。
他の不登校支援団体は、そこまではしてくれません。
不登校の対策が主眼だからです。
不登校が回復して、学校に復帰したり、バイトし始めたりしたら支援が終了します。
他の不登校支援団体では、生徒に時間を与え、本人が人生を自分のペースに合わせて進めることで、改善します。社会のペースが早すぎるから、時間を与え、猶予を与え、ペースを落とした環境で頑張る、という印象です。
ステップでは、
時間を与え、本人とスタッフが、二人三脚で人生を改善します。
何度も何度も試行錯誤し、PDCAをぐるぐる回します。
だからすごく良い人生ルートに入れます。
生徒を待つことは、ほとんどしません。
でも、生徒に無理なタスクは設定しません。
生徒に丸投げもしません。
必ずスタッフと一緒に考えて進めます。
その生徒が回復しないのは、支援者のせいだと考えています。
生徒には回復したい気持ちがあるからです。
悪いのはやり方です。
成果は出るが、右往左往する。
ステップの支援は、よく言えば試行錯誤。悪く言えば右往左往しながら進みます。
人生を改善するために、右往左往している感じは、関係者全員にとって、強いストレスです。
最近、私が担当している生徒の3人と一緒に右往左往していました。
たくさん悩み、ずっとその生徒たちをどのような対策をすればいいか、考えていました。
夢に出てくるようになり、他の支援者に相談したりしていました。
正直、心のどこかで自身の力不足を感じ、逃げたくなる気持ちもありました。
12月に入り、諦めずに右往左往を続けていると、3人とも光明が見えてきました。
まさに光明で、ふとしたときに、その道筋が湧いてきました。(別の生徒からヒントをもらったり、生徒の情報を整理したり、朝起きた瞬間などでした。)
LINEが来て泣きそう。
LINEが来たのはそんな時でした。
「年収を計算したら、大卒平均をやや超えていました。おかげさまです。」とLINEがきました。
6年前に大学進学してステップを卒業した生徒からでした。
この生徒は、勉強が得意ですが、趣味や人間関係が多く、勉強に時間を割くタイプではありませんでした。だから、本人の価値観や興味に合わせて偏差値40台の大学を選びました。私も、賛成はしていましたが、内心では心配で不安でした。
本人の生活の様子を聞くと、
・仕事も順調
・人間関係も順調
・趣味も順調(で、沼っているので、お金を使いすぎている。平均年収を超えても、おそらくアレです。)
・当時改善をした家族関係も、継続して良好
日々が楽しくてしょうがない様子でした。
改めて、この道は間違っていなかったんだな。と強く思います。
さて、今日も生徒の人生をおもろくしてきます。
ではでは。