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支援機関に本人が行けません。

おはようございます。
NPO法人ステップの原です。

保護者相談 不登校

支援開始の時期に、保護者の方から

  • 児童相談所で「本人さんが来てからまた相談してください」と言われた。
  • 教育支援センター(適応指導教室、ふれあい教室)で相談したが、「本人に来るように言ってください」しか言われない。
  • 病院に本人が行けなくて困っている

というご相談をよくお受けします。
お母さんが「〇〇に相談に行こう」と言っても、ご本人が動かない・拒否するといった状況です。

見守っても回復に時間がかかる。

この状況は、本人の対人恐怖が強いなど、見守っていても回復に時間がかかることが多いです。
この時期だけでも、支援者が関わった方が、6ヶ月くらいは回復が早くなると思います。

見守るという戦略は、回復が遅いので、弊社では採用しません。
回復が遅いと、不安な気持ちが解消されないので、お母さんが調べ続けないとならなくなります。

ステップでは、こう対策します。

この、ご本人が支援機関に行くことができないという状況で、ステップでは、例えば、以下のように対策をします。

①ご本人と会わずに回復させます。

ステップでは、不登校の最初の時期の、ご本人が支援機関に行くことができないという状況では、ご本人に会おうとしません。

他の回復させる方法がたくさんあるから、ご本人に無理してまで会っていただく必要はありません。

本人と会わずに回復させるのは、大変か?

「本人と会わずに支援を進めるということは、保護者が支援を進めるということですよね。それって大変じゃないですか?」
とご質問を受けることがあります。

保護者の方ができる方法で、継続可能な方法を、毎回考え、具体的な方法をお伝えします。なので、ご両親のご負担は少ない対策をご提案します。

以前の例では・・・(詳細)

例えば、以前、すぐに怒ってしまうお母さんにお伝えした対策では、本人の話した内容のメモをお願いしました。メモしてから返答するように伝えました。それだけです。

結果、ご本人の話をさえぎらないようになり、ご本人が話し終われるので、お母さんのムカつく返答も流しながら対応でき、母子関係が安定し、その後支援者ともスムーズに会えました。

私の話をメモされていたので、お母さんに「メモはできますか?」とお聞きしたら、「メモが好きです」とおっしゃるので、メモの対策をご提案しました。

うまくいって良かったです。

遠回りではありませんか?

「本人に会わずに、回復させるのは遠回りではありませんか?」とご質問をいただくことがあります。

全然遠回りではありません。
本人が、支援者に会えないという状態ということは、本人に会わない支援の方が効果がある、または、効果が高いというだけです。
骨折している時に、歩くリハビリをしても効果が無いのと同じです。まずは骨を直すために、ギブスをしてカルシウムを取ることが効果的だと(素人ながら)思います。

本人が無理して支援者と会っても、回復効果は薄いです。
(ちなみに、大事なのは「無理している」かどうかです。ご本人が「嫌がっている」意思表示をしているかどうかは関係ありません。)

遠回りではなく、近道です。

会わない方が支援が進みやすいのですか?

「本人とは会わない方が支援が進みやすいのか?」とご質問をいただいたことがあります。

これは、そんなことはありません。
ご本人とは、会った方が支援が進みやすいです。

それは、支援者が直接目で会って、確認したら、たくさんの情報が分かるからです。
支援者は、ご本人の目線の動かし方や、しぐさや表情の変化などから、ご本人のことがかなり分かります。

本人が社会復帰の対策を考えている時期に入ると、支援者とはスムーズに会えます
その段階まで進めることが大事なのです。

(もし会えない場合は、本人が他人に会えない理由が必ずあります。それを解消すれば良いのです。)

②具体的には、こうやります。

まずは、ご本人の情報をお聞き、分析します。

2時間くらい詳細をお聞きします。

そうすると、その情報から、「不登校の原因」と「不登校を継続させている要因」が分析できます。

対策を考え、その計画をご説明します。

その分析から、ご本人の回復までの道のりを描くことができます。

その全体計画を、保護者の方にお伝えします。
ご両親の思いや大切にしている価値観などもお聞きしながら詳細を調整します。

それを試行錯誤して、精度を上げる。

お伝えした対策をしてみて、ご本人の反応など、LINEで随時教えてください。

ご本人のリアクションから対策を調整して、具体策をお伝えします。

③使っている手法は、、、

この段階で使っている手法は、

  • 心理学全般
  • 家族カウンセリング
  • 愛着障害、毒親、親子関係などの回復手法
  • 発達段階
  • 親業
  • コーチング
  • ペアレントトレーニング
  • NLP
  • 思春期の子育て

などです。

そのあたりの知見と経験で、対策を考えます。

▲この本、私にとって、長年疑問だった「愛情とは何か」を説明してくれていて、大好きです。おススメです。

まとめ:支援機関に来ないまま対策をしよう。

長文になってしまいました。
まとめです。

支援機関にご本人が来れない状況なら、その状況に効果的な対策をするべきです。
ただそれだけです。

・支援機関に本人が行くことができないから支援が進まない。
・だから見守るしかない。
・でも進んでいない。
・しんどい。
という保護者の方、たくさんの方法がありますので、ぜひ、ご一考くださいm(_ _)m

ではでは~~。

不登校

▲卒業生のダブルピースに、ちゃんと適切な方法で支援をしていて、良かったなと思い返します。