「自分で考えて生きるって、楽しい!」——大学生・Kくんの今
先日、ステップ卒業生の大学生・Kくんが事務所に遊びに来てくれました。
彼がステップと出会ったのは中学3年生のとき。不登校になったきっかけは、部活動での人間関係と、顧問とのトラブルでした。責められるような言葉、謝罪のない態度。気づけば学校への足が止まり、心と体にさまざまな不調が現れていました。
「学校に行けないんじゃなくて、行かない!」と泣きながら話したあの日から、彼は、自分の人生を、自分の頭で考えはじめたのです。
ステップで学んだ“考えることの楽しさ”
現在、大学で経済を学ぶ彼は、今後、経済心理学のゼミに進む予定です。
「ステップで少し学んだ心理学も使って、人の選択や経済活動を読み解くのが楽しそうなんです」
そう話す彼の目は、生き生きと輝いていました。主体性を持ち、自分の意見を言える彼は、大学でも高く評価されています。上位成績者だけが選ばれる特別プログラムにも参加中だとか。
「ステップで、自分の頭で考えることを学びました。自分で考えて行動できるようになったから、今、楽しく生きられていると思います」
失敗しても大丈夫
スタッフとの信頼関係ができてくるにつれて、少しずつKくんは自分の思いを話すようになりました。
その中で見えてきたのは、「行動したいけれど、心が追いつかない」という葛藤でした。
そこで、彼のペースに合わせて「できること」を積み重ねていく支援方針を取りました。失敗しても大丈夫。トライ&エラーの中でPDCAを回し、少しずつ前に進んでいく。そんな支援を続けました。
ステップでは、支援に「PDCA(計画→実行→振り返り→改善)」サイクルを取りいれています。あの頃、彼が試行錯誤しながら回していた「PDCA」サイクル。それが今、彼のキャリア形成に活かされているとのことでした。
もしも、あのとき不登校になっていなかったら ——
「たぶん、公務員になっていたと思います。」
彼は、少し笑いながらそう語ってくれました。
「不登校になって、ステップと出会って、自分の頭で考えて、目標を持って動く楽しさを知りました。あのとき不登校になってよかった。今の人生のほうが、きっと楽しいです。」

そして —— 未来に向けて
今、彼は就職活動に向けて準備を進めています。どんな仕事に就くか、それに向けて大学時代にどう過ごすか。自分で選び、歩む未来。
それは、ただの進路ではありません。彼にとっての「人生そのもの」です。
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不登校は、ただ「学校に行けなくなること」ではありません。
それは、自分の人生を見つめ直す“きっかけ”にもなりうる。
そして、そこに寄り添う人がいれば——
人は、何度でも、立ち上がれます。