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不登校で仕事を辞めるべきか?

仕事を辞めるべきか

1. 不登校のために、仕事を辞めないで!

子どもの不登校が始まって誰かに相談した時に「お母さんが仕事を辞めて家にいて、対応してあげないとね」と助言されたことはありませんか?

ネットでも、「お母さんが家にいる時間を増やして不登校に対応して・・・」、というページを目にします。 昔の時代は、家にお母さんがいて、という家庭が多かったのでしょうが、今の時代でもそれが理想なのでしょうか。

ステップに初めてご相談に来られる方の多くが、「仕事を辞めるべきなんでしょうか」と悩まれています。

結論です。子どもが不登校になったからといって、保護者が仕事を辞める必要はありません。むしろ不登校が長期化したり、悪化することの方が多いと思います。

仕事を辞められると、お母さんが子どもに向き合う時間が増えるという面もあれば、生活が苦しくなるという面などもあります。一長一短だと思います。

お母さんのストレス状況が死活問題。

不登校後にお母さんがお仕事を辞められて、一番問題になるのは、お金が減ることよりも、お母さんご自身のストレス環境の悪化です。

簡単にいうと、お母さんがストレスを抜きにくくなるのです。

お仕事していて得られる充実感や達成感などでストレスが溜まらない状態になっていた生活が、仕事を辞めると、そのストレスを仕事以外で消化しないといけなくなります。考えなきゃいけないことも減り、頭の中のスペースも空きます。

子どもが不登校なので、一番大きな悩みは不登校です。悩んで悩んでも、保護者からできることは限られています。だから、悩めど悩めど、実行できず、事態は好転せずに、進みません。子どもの変化の無さにイライラしてしまいます。

そんな状態が続けば、(結果的に)「私が仕事を辞めてまで対応しているのに、なんでこの子は、、、」とさえ思ってしまいます。

この流れでは、不登校からの社会復帰はうまくいきません。
お母さんが仕事を辞めることで、効果を狙う自己肯定感は、他の方法でも上げることができます。

2. 不登校からの社会復帰のために必要な対策は?

では、不登校から社会復帰するために、保護者ができる必要な対策は何でしょうか?

色々な本や、ノウハウ動画、ネットのサイトには、

  • 見守ってください
  • 寄り添ってください
  • 放ってあげてください

などと書いてあります。

放置していても、回復するかどうか不安ですし、子どもが本当に自立できるなんて思えないですよね。

キャリアを守れるのは、47%程度の子

以前、ステップで調査した際(全国的な調査から、算出したもの)、同級生と同等にキャリアを作れるのは、47%程度だと分かりました。

中学時代に不登校をした人の中で、20才の時点で、大学や専門学校で学生をしたり就職したりしている人で、ニートやフリーターではない人の割合です。

子どもが社会人として安定した生活を送れるようになる確率が47%なんて、不安です。

必要なのは時間の量ではなく、愛情が伝わること

お母さんの愛で不登校が解決することもあるが、、、それはそんなにたくさんの時間は必要ありません。

思春期の時期など、子ども側が嫌がることも多く、時間が長いから愛情が伝わるとは限りません。

愛情が伝わるのは、週に長くても1時間。

生徒の年齢にもよりますが、愛情を伝える時間は、週に15分~1時間程度だと考えています。

それ以上は、日常的には必要ありません。

3. 不登校は自力で回復できるのが基本

不登校は、回復過程の一部を本人が自力で回復していくのが理想です。

それは、学校・社会復帰の時に、「自分が変わった」「前と違うから大丈夫」と思えないと、「またストレスを過剰に受けるのではないか」と思ってしまうからです。そう思ったらもう復帰が怖くなってしまいます。「挑戦しても無駄だ」と思ってしまいます。

だから、「自分は変わったんだ!」と確信できるほどに本人主導で試行錯誤して、自力で回復したと思える過程が必要です。

その過程を超えた生徒は、強くなり、人生に対して前向きになります。

前よりもいい人生を歩もうと、しっかりと進んでくれます。

不登校は、人生を立て直すいいチャンスです。

これはまた詳しくは別の記事でご説明します。ではでは~。