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「困ってるのは親だけ」──本人が困ってない不登校の話

不登校の親子のイラストを書いてほしいです。 日本人の高校生の息子がソファに座って楽しそうに笑ってスマホでゲームしている。その後ろにある食卓で、45才くらいの母親がうつむいて悲しんでいる様子を書いてください。

今日は、「不登校なのに本人が困ってない」という話をしたいと思います。
不登校になると、真っ先に困るのって、実は親御さんなんですよね。
本人はというと、もちろん心の中にいろいろあるんだけど、「今の状況そのものには、そんなに困ってない」ってケース、結構多いです。

親子の“温度差”に悩むとき

たとえば、学校に行けなくなって「ちょっとしんどいな」「行けたら行きたいな」って思いはあっても、「やばい!何とかしないと!」ってほどではない。
その分、おうちでYouTube見たり、ゲームしたりしてる姿を見て、「え?私はこんなに心配してるのに、なんであんたはそんなのんびりしてるの?」って、怒りが湧いてくる、っていう親御さんの気持ちも、すごくよくわかります。

ネットや本には「怒っちゃダメ」と書いてあるけど、実際ムカつきますよね。
だって、自分だけが必死で考えてて、子どもはゲームばっかり。そりゃ怒りたくもなります。

でも、なんで本人が困ってないのかというと、学校に通ってた時期が、本当にしんどかったからなんです。
限界近くまで我慢して、ようやく休めた。だから、今は「ようやく落ち着いた」って感じてるんです。

その分、親御さんは休み始めてからが本番。勉強のこと、将来のこと、家計のこと、いろんな不安が押し寄せてきて、どんどんストレスがたまっていく。
だから親と子で感じてるしんどさのタイミングがずれてて、その「温度差」に苦しむわけです。

学校を休むことで「ようやく落ち着いた」と感じる子もいます

長引く不登校、動き出さない理由

この「本人は困ってない」状態が、3ヶ月、半年と続くケースもあります。そうなると、親御さんとしては「そろそろ何か動き出してほしい」って思いますよね。

でも、子ども側からすると…
「次に何をすればいいかわからない」「動き出すとまたしんどい思いをするかもしれない」って感じて、避けてる場合もあります。

僕自身、小4のときに不登校になって、家で落ち着いたあと、1年くらい引きこもってました。
家族とどう関係を築き直せばいいか、人とどう関わればいいか、さっぱりわかりませんでした。
当時はネットもAIもなくて、自分をどう立て直せばいいのか、方法が見えなかったんですよね。

本人が動き出すタイミングって?

じゃあ、本人が困ってないからって、対策もできないかというと、そういうわけじゃないんです。
多くの子どもたちは、ちゃんと「自立したい」って思ってます。ただ、「今の学校には行きたくない」だけで。

「楽しくて、楽な学校だったら行く?」
そう聞くと、今まで関わった子どもたちは全員、
「そんなの行くに決まってるじゃん!」って言います。

つまり、しんどい場所を避けてるだけで、楽しく生きたい気持ちはちゃんとあるんですよ。

本人が自分から動きたくなる時って、
「もっと人生を楽しみたい」「この先が面白くなりそう」って思えた時なんです。

「新しい一歩」を踏み出せる瞬間を応援しています

最後に

不登校って、「社会復帰」というゴールに向かうだけじゃないんですよね。
本人が「この先の人生が、ちょっと楽しみかも」って思えること。
そこから、自分で歩き出す力が湧いてくる。

その“きっかけ”を一緒に探すことが、僕たち支援者や親の役目なんだと思います。

NPO法人ステップでは、そんな一人ひとりのタイミングに寄り添った支援をしています。
親子で悩んでいる方は、どうぞ気軽に相談してくださいね。