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不登校の回復中期(停滞期)|動かない時期は悪化じゃない?昼夜逆転・部屋から出ない状態の見方

不登校 中学生 高校生 停滞期 中期

こんにちは。NPO法人ステップの原です。

不登校が続いている中で、ある時期から「荒れてはいない。だけど、何も動かない」みたいな状態になることがあります。
そんな時期:不登校 回復 中期・停滞期について書きます。

  • 部屋から出ない。
  • 昼夜逆転が続く。
  • ゲームや動画ばかり。
  • 会話も少ない。
  • 変化がない。

お母さん側からすると、どうしても不安になりますよね。
「このまま一生この状態だったら…」
「不登校の回復って、いつ進むの?」
「不登校の停滞期って、悪化なの?」

そんなふうに、頭の中がぐるぐるしやすい時期です。

今日は、ステップが考えている「不登校の回復 中期(停滞・安定期)」について、現場視点でやさしく整理します。
結論を急がずに、いまの状態の意味を一緒にほどいていきます。


動きがないように見える時期があります

不登校の相談で、よく出てくる言葉があります。
「初期のころはしんどそうだった。でも最近は落ち着いている。なのに、動き出さない」
「このまま見守っていて良いのだろうか。不安になります。」

このような保護者さんの声を、月に1回くらいはお聞きする気がします。

この動かない感じが、いちばん怖いんですよね。
目に見える変化がないと、「回復していないのでは」と感じやすいからです。

「このまま低いレベルで安定してしまうのではないか」

ただ、ここで一つ、前提として置いておきたいことがあります。
不登校の回復は、一直線に進むものではありません。
良くなったと思ったら止まるし、止まったと思ったら、内側で進んでいることもあります。

なので「不登校 動かない 時期=悪化」とは限りません。
ここをいったん、前提の知識として持っておいてください。(南くんのように胸ポケットにそっとしまってください)

※回復全体の流れは、「不登校の回復ステップ全体像」の記事で整理しています。
▶︎ 参考記事
👉不登校の回復ステップ全体像はこちら


それは“エネルギーを溜めている時期”かもしれません

ステップでは、この不登校の中期の回復を「過去と内面から考えている時期」という言い方で捉えています。
難しい理論ではなく、とてもシンプルなイメージです。

たとえば、スマホの電池が切れた後、充電し始めたくらいで「そういえば、あの時充電しなかったからだな。次は充電しよう」などと原因と対策を探りますよね。

不登校の中期は、そんな時期です。

中期(停滞・安定期)って、どんな時期?

不登校の回復 中期は、「落ち着いてはいるけれど、原因と対策がわからず、まだ外に向かうほどの余裕がない」時期です。

初期のような強いしんどさは減ってきます。
でも、学校の話を進めたり、生活リズムを整えたり、外に出たりするには、まだ余裕が足りないことが多いです。

見た目は止まっているように見える。
でも、何が悪かったのか、原因と対策がわからないので、不安です。
だから、本人の中では「ここは安全か」「責められないか」「自分のペースは守られるか」を確かめ続けています。

初期との違い

初期(混乱期)は、本人の中で「これ以上しんどくならないようにする」ことが最優先になりやすい時期です。
だから、拒否が強く出たり、体調が崩れたりします。

中期(停滞期)は、そこから少し落ち着いて、外の刺激を避けながら回復の準備をしている段階です。

※初期の特徴や過ごし方は「初期(混乱期)の過ごし方」の記事にまとめています。
▶︎ 参考記事
👉不登校の初期に起きていること|「動けない!?」「何もしなくていい?」と感じたとき


この時期に見られるサイン

不登校の停滞期に見られやすいサインをいくつか挙げます。
全部そろっている必要はありません。
一つでも当てはまれば、それは変化の芽かもしれません。

少し会話が増える

用事だけの会話だったのが、少し雑談が混じる。
ゲームの話をぽつっとする。

内容よりも、「話しても大丈夫だった」という体験が増えることが大事です。

中期の終わりが近付くと、元気になってきます。
外出も増えます。

好きなことに集中する

ゲーム、動画、創作、音楽。
今までは時間つぶしや現実逃避だった遊びが、少し工夫するようになります。

親から見ると
「他に考えないといけないことがあるのでは?」
「そればかりで大丈夫?」
と不安になることもあります。

でも、何かに集中できるのは、心の余裕が少しあるサインでもあります。

昼夜逆転が続くこともある

「不登校 昼夜逆転 いつまで続くの?」
(これは本当に多い質問です。)

中期(停滞期)でも、昼夜逆転が続くことはあります。
夜のほうが安心できる、という子も多いからです。

実際に、昼夜逆転している子の回復の進み具合は早い気がします。

家が静かで、外からの刺激が少ない時間。
その環境のほうが、じっくりと考え、原因と対策を考えられるからかもしれません。

特に、罪悪感が強いタイプの子は、昼夜逆転すると回復する効果が高いと感じます。

家族への気遣いが出てくる

・食器をそっと下げる
・下のきょうだいの様子を気にする
・お母さんが疲れているときに、声をかけない

こうした小さな気遣いは、本人の視線が少し外に向き始めているサインです。
派手ではないですが、とても大事な変化です。


(余談ですが)昼夜逆転をこの時期に直そうとしないで

少し本題からそれますが、この時期の昼夜逆転は、心理的に正常な回復過程の一部の反応です。

10年くらい前から、不登校が継続している原因と考えられるようになったため、回復が妨げられていると感じることが多いです。

参考資料として、
厚生労働省『中高生を中心とした子供の生活習慣が心身へ与える影響等に関する検討委員会 第1回 配付資料』のリンクを置きます。
👉資料はこちら
(この記事の会議あたりの2014年あたりから、不登校はストレスが溜まっているから眠れない→眠れないから不登校が継続していると間違えて考えられるようになりました。)

昼夜逆転は後期に治ります。大丈夫です。
なので、中期では気にしないでください。

白鵬くらいドシっと構えておいてください。


親がやっていいこと

「不登校なのに何もしないでいいの?」
この不安は、本当に自然です。

ここでの何もしないは、放っておく、という意味ではありません。
無理に動かさない、という意味に近いです。

見守る勇気

見守るのは簡単ではありません。
不安があるからこそ、声をかけたくなります。

でも、中期はエネルギーを溜める時間でもあります。
「いまは充電の時期かもしれない」と理解することが、関わり方を少し変えてくれます。

評価しない聞き方

本人が何か話したとき、すぐにアドバイスをしたくなることがあります。

わかります。
基本全員そうです。
それが親心だと思います。(私の親戚一同)

そんなときは、
「そっか」
「そう思ったんだね」
と、まずは受け止めるだけでも十分です。

大事なのは、正解を伝えることよりも、「話しても大丈夫だった」という体験です。

期待しすぎない距離感

少し落ち着いてくると、親のほうが元気になります。
「そろそろ動けるかも」と思うこともあります。

でも、その期待が伝わってしまうと、(特に思春期だから)ご本人は逆を進もうとしまうことがあります。

近づきすぎず、離れすぎず。
戻ってこられる距離にいる、という感覚が大切になります。


焦って動かすとどうなるか

回復には順番があります。

心の余裕があまりない状態で、
・生活リズムを無理に戻そうとする
・学校や進路の話を強く進める
・外出を強く勧める

こうしたことが続くと、本人の防衛反応が強く再燃することがあります。

お母さんの意図は「良くなってほしい」なのに、
結果としてまた部屋に閉じてしまう。

そのとき、「私のせいかも」と感じてしまうことがあります。
でも多くの場合、順番が少し早かっただけです。


この時期は準備期間です

不登校の回復中期(停滞期)は、派手な変化が少ない時期です。
だからこそ、不安が強くなります。

でもこの時期は、次の段階へ進むための準備期間でもあります。

少し会話が増える。
好きなことに集中する。
家族への気遣いが出る。

その小さな変化が、やがて「やってみようかな」に繋がっていきます。

いま動いていないように見えても、
家の中が責められない空気で保たれているなら、それはご本人にとって大きな支えです。

不登校 回復 中期は、親側の心が揺れやすい時期です。
だからこそ、お母さん自身の不安も大切にしながら、
「いまは準備期間かもしれない」と、一度だけでも思ってみてください。


停滞期によくある不安や、昼夜逆転については、別記事で詳しく整理しています。

👉(記事は作成し次第リンクをここに貼ります)

※次の第3段階「後期(回復・試行期)」の記事で、動き出す前に何が起きるか”を続きとして書きます。
内部リンク候補:第3段階(後期・試行期)の記事)