こんにちは。NPO法人ステップの原です。
今日は、過去のつらい記憶について、お話しします。
不登校の支援というと、未来のことばかり考えがちなんですが、
実は過去の扱い方がすごく大事なんです。

思い出したくないのに、何度も思い出してしまう
不登校になる前の時期のことを、思い出すとつらくなってしまう。
目をそむけたいのに、何度も何度も頭に浮かんでくる。
こういう状態のお子さんは、少なくありません。
学校で嫌なことを言われた心の「きゅっ」とした反応。
教室で居場所がなかった小さい自分。
頑張ったのにうまくいかなかった時、向き合えない自分。
忘れたいのに忘れられない。
考えたくないのに、ふとした瞬間に蘇ってくる。
それは、心が「処理してほしい」と言っている
何度も思い出してしまうのは、心が弱いからではありません。
心に余裕がある時期に、
心が、「この体験をまだ処理できていないよ」と投げかけているのです。
過去のストレスの中に、未処理の項目が残っている。
心はそれを片付けてほしくて、繰り返し意識に上げてきます。
もう一つ、別のパターンもあります。
嫌な思い出と近いことが起きたとき、似た状況を連想できるとき、
心は「今度は同じ目に遭わないように」と、
過去のストレスを思い出させます。
つらい記憶を追体験させることで、
予想できる大きなストレスを避けさせようとしている。
これも、人間の心の正常な防衛反応です。
つまり、何度も思い出してしまうのは、心が壊れているのではなくて、
心が自分を守ろうとしているのです。
ただし、未処理のままだと社会復帰が難しくなる
心の防衛反応としては正常でも、
過去のストレス体験が未処理のまま残っていると、不登校からの社会復帰は非常に困難になります。
なぜか。
「自分が変われた」と思えないからです。
過去の自分が抱えていた問題が何も整理されていない状態で、「さあ、前に進もう」と言われても、本人の中では何も変わっていない。
同じ場所に戻れば、また同じことが起きるんじゃないかという恐怖が残る。
だから、過去に向き合うことは、前に進むための準備なんです。
未来を見る前に、過去を整理する。
この順番が大事です。
過去を活かして、未来を方向付ける

過去のしんどかったことには、実はたくさんの情報が眠っています。
自分の行動のクセ、好き嫌い、価値観。
つらかった体験の中に、「自分はこういう人間なんだ」という手がかりが隠れている。
たとえば、私が不登校だったころの話をすると、
当時の私は、他人の顔色ばかりうかがって、上手に立ち回ろうとしていました。
それがしんどかった。
でも、後になって気づいたんです。
あのとき自分がやっていたのは、「他人がどう思っているか」「その人の幸福や願いは何か」を一生懸命考えることだった。
実は、カウンセラーに向いていたんですね。(恥)
そんなふうに、過去から、未来のことがつながる瞬間が来ます。
しんどかった経験を整理していくと、「あの苦しさの中に、自分の強みがあった」と気づけることがある。
過去を活かせると、未来の方向が見えてくる。
これは、不登校を「人生の転機に変える」ことにもつながります。
向き合えないほど大きい場合は
ただし、過去のストレスがあまりに大きくて、本人が向き合えない場合もあります。
思い出すだけで動けなくなる、思い出したくない、という場合です。
そういうときは、カウンセリングを利用してみるのが有効です。
専門家の力を借りることで、一人では向き合えなかった過去の体験を、安全に処理していくことができます。

▲カフェで雑談しながらトラウマを話したりしています。
ステップも、不登校の心の専門家として、過去の処理が上手ですよ👍
もちろん、臨床心理士なども在籍しています。
過去の整理は、支援の中でとても大切にしているプロセスです。
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