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予習・復習の無限ループでダウン→大学合格までの道のり

高校生 不登校 進学校 予習 復習

こんにちはステップ原です。
以前担当させていただいた生徒の支援の実例をご紹介させていただきます。
ステップの支援を知っていただく参考にしていただければ幸いです。

生徒の背景

Dさん(仮名)
県立高校(普通科の進学校)
女子
高校1年生 3学期(支援スタート時)

支援前の状況

高校入学後、予習復習を夜中までやっていたので、睡眠時間が足りず、身体を壊してしまった。
そこから、登校して自宅学習するという生活が、体力面で維持できなくなって、さみだれ登校になっていました。

しんどい
→身体を休める、元気になる。
→学校に行くために、予習復習する。
→学校に行く、疲れる。
→体調が悪くなる。
→しんどくなる。
→身体を休める
のサイクルを繰り返していました。

ご依頼の流れ

ステップが、お母さんの知人のお子さまを担当したことがあり、ご紹介をいただきました。
初回カウンセリングにお越しいただき、ご依頼をいただきました。

支援の計画

当初の方針

支援開始前の方針は、
・ご本人の予習復習を楽にこなせるように、効率的かつ効果的な予習復習の方法を教える。
・「不登校ではない」という前提で進める:支援ではなく、学習の指導。
というものでした。

ご本人が了承してくれたので、面会しました。

初回のご本人との面会

初回は、ステップの事務所でお母さんに連れてこられた状態でお会いしました。
最初の5分くらいは、不安な表情、怪訝な表情をされていましたが、
・大丈夫そうであること
・今の本人には便利なところであること
を理解してくれたようで、たくさん話してくれました。

・学校に行くための対策をしているが、眠たくなってしまうこと
・今まで理不尽な養育環境で過ごしていたこと
・負けず嫌いだから勉強の手は抜けないこと
など、今の苦しい状況になっている原因を、ご自身でも分析され、話してくれました。

対策の方針などを伝え、ご本人が合意してくれたので、それで終わりました。
(後日、ご本人は、「この時に、解決できるかもと希望を持てた」と思えた、と教えてくれました)

支援開始後に聞き取った、本人の生活(高1の1学期)

課題を、ちゃんと・自力で・先生に指定された方法で行い、予習復習は4時間(毎日平日)を超えていました。(特に、古文漢文の予習復習が週に10時間を超えていました。)
土日は週末課題が出るので、学習時間は8時間を超えます。

平日の生活は、このような感じでした。
・学校着~部活(8:00~18:00)
・帰宅(18:30)
・休憩、食事、お風呂(18:30~21:00)
・予習復習(21:00~25:00)
・起床・身支度(6:00~7:00)
・課題残り(7:00~7:30)
・登校(7:30)

この生活を見て、大人なら分かると思うのですが、ベットにいるのが5時間です。寝る前に、副交感神経に切り替わって寝付くまでに少し時間がかかります。実際の睡眠時間は、4時間ほどでしょうか。

毎日、気絶しそうなほど眠いのに、この生活を数か月続けました。
1学期の半ばには、体調不良が出ていましたが、それも無視して、この生活を続けようと頑張り続けました。

その後、急に学校に行けれなくなったそうです。
やる気も出なくなり、五感も鈍くなっていました。

原因についてまとめると、
睡眠不足からくる自律神経失調
→それを無視し続けた結果のうつ状態
という連鎖が、不登校の原因でした。

実施した対策

一手目:動けるようにする。

原因に対処する前に、まずは、悪循環から抜け出してもらい、余裕を少しだけ作ってもらいました。

一旦悪循環から離れるために、まずは学校に行こうとするのを止めてもらいました。

学校に行こうとするのを止めて、家で好きな事を全力でやってもらいました。
アイドルの歌を聴き、ドラマを観て、とたくさんの趣味を、安全な状況でやってもらいました。

無事にストレスが抜けて、悪循環から脱して、現実に戻ってきました。

一時的に動けるようになったので、原因へのアプローチができるようになりました。

二手目:原因に対処する。

①理不尽な養育環境を改善しました。
そのために2つの対策をしました。

お母さんとお祖母さんに不登校を対策する役割から降りてもらいました。
(その役割はステップが受け取りました。)
また、昼間に本人の様子を確認して心配をぶつけるのも止めてもらいました。

代わりに、
・本人の話にあいづちを打つ役割
・本人を甘やかす役割
を担当してもらいました。

続けて、本人の中での”過去の養育環境の理不尽さ”と、”今の環境”とのリンクを切り離しました。
ご本人の話をよく聞き、ずっと我慢して、しんどかった過去へのケアを行いました。

②温泉に定期的に行く

自律神経を安定させるために、お祖母さんが趣味だった温泉巡りを、一緒に行くことにしました。

岡山県内の温泉を巡り、ちょっと美味しいご飯を食べて帰る、という週末を何度か過ごしました。
当然、自律神経が回復し、安定するようになりました。

③勉強の楽しさを思い出す。

本人が、韓流アイドルが好きだったので、韓国語を勉強することになりました。
韓国語は、3週間ほどで半分くらい聞き取れるようになりました。
元々、勉強は好きだったようなので、得意×好きなことで、できる楽しさを味わってもらいました。

この対策から、ご本人の自我がたくさん出てきました。

この①~③の対策で、本人の余裕が生まれたので、次に根本的な対策を行いました。

三手目:高校の予習復習を効率的×効果的に

①古文の予習の時間を半減させる。
という対策で、「予習していないと授業について行けない」という呪いを解きました。(私も経験しましたが、予習は「分からないけど、やらなければもっと分からなくなる」という呪いだと思います)

古文の予習の時間が長い原因は、
・古文の全体の理解がないと、読めないから分からない。
・古文の受験の対策を同時にしているから複雑
・だから古文を嫌いになる
というものです。

今回は、古文の全体の理解度を高められそう、と判断しました。
その対策のために、本人が許容してくれた、”私が古文を教えて良い時間”は、4時間のみでした。

仕方ないので、本人が4時間以内に高校の古文の全体を理解するための準備を行いました。
4時間で、高校古文の全体内容を(暗記以外)理解できるように授業をしたら、うまくいきました。

そうすると、高校の授業で理解することはもう何もないので、後は受験までに数をこなすだけ、という状態になります。

そうすると、予習で学ぶ必要はなくなり、「予習をしておかなければ授業についていけない」という呪いが解けます。

他のいくつかの教科でも、何らかの対策を行い「予習できていなくても寝て大丈夫」と思えるようになりました。

こうして、予習は大丈夫だけど、睡眠が確保できている、という状態ができました。

四手目:学校に説明する。

本人が動けるようになってきたので、登校しそうになってきました。

学校に事前にご説明をさせていただきました。
(先生にお時間をいただき、お母さんと一緒にご説明に伺いました。)

・数か月かけて、毎日登校できる状態になろうとしていること
・頑張りすぎて限界突破しているだけで、さぼってはいないこと
・成績を上げることよりも、登校できることを優先したいこと
・難関大に興味がないこと
等をお伝えしました。

先生から
・学校に戻れる道筋が見えて、すべきことが分かる。
・学校としてできることは多いので、配慮や対策ができる。
・学年団で共有する。
など、様々なフォローのご提案をいただきました。
(学校や学年団の考え方によって違うので、詳細を控えました。)

こうして、本人が学校に行ってもしんどくない状態が、徐々にでき、登校するようになりました。

五手目:クラスの人間関係を安定させる。

ご本人が、クラスでの人間関係があった方が安定するタイプだったので、友達関係を安定させる対策を行いました。

・他の子のことが分かりすぎてしまう(HSP)
・他の子に配慮しすぎて、譲ってしまう(自己肯定感の低さ)
の対策を行い、安定的な人間関係をつくれるようにしました。

具体的には、人の話を聞くスキルを高めました。
人の話を聞くポジションを取れるようになり、本人の周りに人が集まるので、本人の不安感が無くなり、安定しました。
(本人のトラウマの対策にもマッチしていました)

六手目:成績を上げる。

負けず嫌いな性格なので、成績を上げたら安定しそうだったので、成績を上げることになりました。

1科目ずつ対策を行い、英語、古文、漢文、数学、世界史、と一つずつ成績を上げていきました。
睡眠時間を確保しなければ体調が悪くなるので、成績を上げるための対策は、週に2時間と限定して実施しました。

高3の春には成績が上がり始め、行内平均も取れるようになりました。
そうすると、勢いがついてきたので、勉強を、、、とすると、またしんどくなるので、
次の対策に移りました。

七手目:自律神経を丈夫にする。

高1の時は、自律神経失調症から本人の不登校が始まっていたので、大学に入ってからも大丈夫なように、自律神経を丈夫にする対策を行いました。

一緒にジムやプールに行き、体力をつけました。

この頃、ステップの生徒で、受験する生徒たちと仲良くなっていたので、一緒に行き、はしゃぎながら楽しくトレーニングしました。

体力がついてきて、本人の身体が安定して、しんどくなりにくくなりました。

八手目:受験対策をする

学校の授業や受験対策に加え、ステップで塾の役割を担当しました。

本人のメンタルを安定させながら、受験対策を同時に行いました。

ご本人は楽しそうに受験勉強に取り組み、持ち前の負けず嫌いの性格を発揮して、勝負していました。
よく、体力が限界突破しそうになって指導の合間に寝ていました。

↓指導時の様子。

その結果、第一志望の国立大学に合格できました。

九手目:大学進学後のアフターフォロー

大学進学後にアフターフォローをしました。
・最初の人間関係をどのように狙うか
・大学入学後の授業のフォロー
などを行いました。

ご本人の支援の感想

ご本人から、ステップについて、感想をもらいました。

  • マジで、不登校の子はステップに来た方が良い。
  • ちゃんと先が見えて、対策が進む。
  • 不登校を自分で対策しても、うまくいかない。大変すぎる。

とのことでした。
不登校からの良い人生ルートへの改善、お疲れ様でした。m(_ _)m

お母さんの支援の感想

お母さんより、大学合格後にコメントをいただきました。

  • 高1の頃の、ふさぎ込んでいた頃からは、今の笑っている姿は想像できない。
  • 元気になって(口うるさいが)、泣いているより良い。本当に良かった。
  • ステップのおかげ。

お母さん、不登校のご対応、本当に、たくさんお疲れ様でしたm(_ _)m

担当コメント

私(原)が担当でした。この生徒は、私自身が高2で不登校になった時の自分を思い出すような状態でした。真面目に頑張ろうとすることが、悪循環を加速させ、身体が言うことを聞かなくなっていっていました。

真面目に頑張ることは、ご本人とご家族、先生方にとっても、成功体験であり、価値観です。なので、それを止めることが、難しく、その価値観の転換をしていただくために、様々ご説明を尽くしました。すぐにご配慮をいただき、また多くのことにご容赦いただき、ありがたかったです。

当時、自分がうまく行かなかった原因と重ねながら、頑張り屋さんの力を活かし、うまくいかない仕組みを組み換え、悪循環を、好循環に変えるような支援でした。

ダイナミックで、生き方や考え方の変化が大きい支援内容だったので、リスクもありましたが、間に合って良かったです。

高校の進学校で真面目に頑張っているけれど、メンタルがしんどいという状況からの回復は、状況はご本人の性格、価値観などによって、対策が異なります。

お困りの際は、よければご用命・お問い合わせください。

まとめ

全体:高校不登校→高校卒業→大学進学

登校状態:高1の1学期に不登校→高1の3学期に支援開始→高2の2学期に学校復帰

メンタル状態:泣いてふさぎ込んでいる→元気で笑っている


このケースも、
一気に進んだわけではなく、
段階を踏んできたストーリーです。

また、進路の話は、
心のエネルギーが回復してから進めると安心して考えられます。

ステップでは、
回復の段階ごとに進路を考えるタイミングも変わると考えています。
▶︎不登校はこうして回復していきます(回復ステップの全体像)へリンク