不登校は、良いものじゃない。
こんにちは
経験者の私は、不登校は本人にとって「挫折」だと考えています。
続けられなかった。うまくいかなかった。 思い描いていた道から外れてしまった。
保護者にとっても、「どうしてこうなったんだろう」と、 後悔や責任を感じる出来事かもしれません。
ステップでは、不登校を単なる「学校に行かない状態」とは捉えていません。
その子の“生き悩み”が表面化した状態だと考えています。
私にとっての不登校は「家族と私の人生の失敗そのもの」でした。
(これは後日別の記事で書きますね)
ただし、挫折は終わりではありません。
きちんと順番を踏めば、 不登校は人生を立て直す転機に変えることができます。
今日は、その「回復の順番」について整理します。
「このままで大丈夫なのか」と、不安になるのは自然です
このページを開いてくださったということは、
おそらく今、心のどこかでずっと同じ問いが回っているのではないでしょうか。
「このままで、本当に大丈夫なんだろうか」
「何か、私が動かないといけないんじゃないか」
毎日答えの出ないことを考え続けて、
気づいたら疲れてしまっている。
そんな状態の方も多いように感じます。

毎日「この関わり方で合っているのかな」と迷いながら、
先が見えない不安の中で子どもと向き合っている方も多いと思います。
このページでは、「今、何をすべきか」ではなく、
「今はどんな時期なのか」を一緒に整理していきます。
まず最初にお伝えしたいのは、
そう感じてしまうのは、とても自然なことということです。
多くのお母さんが、同じところで立ち止まります
不登校のご相談を受けていると、
本当に多くのお母さんが、同じところで立ち止まります。
「家では元気そうに見えるのに、なぜ外には出ないんだろう」
「昼夜逆転している。このままでいいのか」
「ゲームや動画ばかり。将来が心配で、夜眠れない」
そして何より、
「何もしないで見ているだけでいいのかな」
「放っておくことが、甘やかしになっているんじゃないか」
そんなふうに考え、少しずつ”自分のせい”になっていってしまう。
ほぼすべてのお母さんが、
この同じ場所で一度立ち止まりまった経験をお持ちです。
周りを見れば、
「もう学校に戻った子がいる」
「別の道に進み始めた子がいる」
そんな話も耳に入ってきます。
比べたくないと思っていても、
気づけば比べてしまって、
そのたびに不安が大きくなる。
ここまで読んで、
「これ、私のことかもしれない」と感じた方もいるかもしれません。
でも、まずは知っておいてほしいのです。
この場所で立ち止まるのは、あなただけではありません。
不登校は、ある日突然「始まった」わけではありません
不登校というと、
「ある日を境に、急に行けなくなった」
そんなふうに見えることがあります。
でも、支援の現場でお話を聞いていると、
実際には、突然始まったケースはほとんどありません。
・少しずつ朝がつらくなっていた
・学校の話題を避けるようになっていた
・理由は分からないけれど、ずっと無理をしていた
そうした小さなサインが、
振り返ると、必ずいくつも見つかります。
本人なりに、
「行かなきゃ」
「頑張らなきゃ」
と踏ん張ってきた結果、
もうこれ以上は無理だと、心と体がブレーキをかけた。
私たちは、不登校を
怠けや逃げではなく、心を守るための反応として捉えています。
もしここで、
「どうしてもっと早く気づけなかったんだろう」
と自分を責めたくなったら、
その気持ちも、いったん横に置いてみてください。
多くの場合、
気づいたときには、もう限界まで頑張っていた
ということになっています。

「早く動かした方がいい」という考えが、苦しさを増やすことがあります
不登校の状態が続くと、
どうしても頭に浮かんでくる考えがあります。
「このまま何もしなかったら、
余計に動けなくなるんじゃないか」
「少し無理をさせた方が、
逆に回復が早いんじゃないか」
そう思ってしまうのは、
決してお母さんが冷たいからでも、
理解が足りないからでもありません。
心配だからこそ、動かしたくなる。
それは、とても自然な感情です。
よく聞くアドバイスが、当てはまらない理由
不登校について相談すると、
いろいろなアドバイスをもらうことがあります。
・「まずは生活リズムを整えた方がいいよ」
・「家にいるから甘えるんだよ」
・「少しずつでも外に出さないと」
学校の先生や、
身近な人、
インターネットの記事でも、
似たような言葉を目にすることが多いかもしれません。
こうしたアドバイスは、
決して悪意から出ているものではありません。
むしろ、心配してくれているからこそ、出てくる言葉です。
だからこそ、
「そうしなきゃいけないのかな」
と、自分を追い込んでしまうお母さんも多いのだと思います。
ただ、実際の支援現場で見ていると、
そのアドバイスが、今の状態には合っていないことが、少なくありません。
元気があるときなら、
生活リズムを整えることも、
外に出ることも、前向きな刺激になります。
でも、心のエネルギーが落ちきっている時期に、
「動くこと」そのものが、
大きな負担になってしまうこともあるのです。
実際の支援現場では、回復には順番があります
私たちが支援の現場で大切にしているのは、
回復には順番がある、という考え方です。
元気がない状態のときに、
「前向きになろう」
「次のステップを考えよう」
と言われても、
気持ちがついていかないのは、自然なことです。
それよりも大切なのは、
今がどんな時期なのかを見極めることです。
・今は、まず止まる必要がある時期なのか
・安心できる状態をつくる段階なのか
・それとも、少し試してみられる余裕が出てきているのか
この順番を飛ばしてしまうと、
一度は動き出したように見えても、
あとで大きく崩れてしまうケースもあります。
「動かない=悪い状態」
「早く動く=回復が早い」
必ずしも、そうとは限りません。
むしろ、
今は動かさないことが、回復への近道になる
そんな時期がある、ということを、
ここで一度、知っておいてもらえたらと思います。
ステップでは、不登校の回復を次のような流れで捉えています。
- 止まる・守る時期(まずは壊れないように止まる)
- 余裕を生む時期(落ち着きながら、内面や過去を整理していく)
- 試し始める時期(小さく外に向かってみる)
- 定着させる時期(通い始めた後の“困りごと”を調整して安定させる)
今どの段階にいるかによって、親の関わり方や大切にしたいポイントも変わってきます。
ステップが考える「不登校の回復ステップ」全体像
ここまで読んでくださった方の中には、
こんなふうに感じている方もいるかもしれません。
「じゃあ、結局いつになったら良くなるの?」
「この先、どう進んでいくんだろう?」
不安があるからこそ、
“全体の流れ”を知りたいと思うのは自然なことです。
ステップでは、
不登校の回復を「気合」や「環境の変化」ではなく、
段階的に進んでいくプロセスとして捉えています。

まずは、その全体像からお話しします。
回復は「一直線」ではなく、行きつ戻りつ進みます
最初にお伝えしておきたいのは、
不登校の回復は、一直線には進まないということです。
・少し元気が出たと思ったら、また落ち込む
・外に出られた日があったのに、次の日は動けない
・「良くなってきた」と感じた矢先に、不安が強くなる
こうしたことは、決して珍しくありません。
でも、この揺れを見て、
「また戻ってしまった」
「やっぱりダメなんだ」
と判断してしまうと、
必要以上に苦しくなってしまいます。
回復は、
前に進んだり、立ち止まったりしながら、
少しずつ幅を広げていくものです。
行きつ戻りつすること自体が、
回復の途中で起きる、とても自然な動きだと考えています。
【第1段階】止まる・守る時期(動けなくなる時期)
最初の段階は、
いわゆる「動けなくなる時期」です。
・学校の話をすると強く拒否する
・外出を嫌がる
・体調不良や、強い疲労感が続く
この状態を見ると、
多くのお母さんが不安になります。
「何か声をかけた方がいいのでは」
「このまま家にいさせて大丈夫なのか」
でも、ステップではこの時期を、
これ以上つらくならないために、心と体が止まっている時期
と捉えています。
壊れないために止まる。
回復のスタートは、実はここからです。
この段階では、
「前に進めること」よりも、
安心して休めることが何より大切になります。
【第2段階】余裕を生む時期(内面や過去を整理している)
次に訪れるのが、少しずつ「余裕を生んでいく時期」です。
見た目は、第1段階とあまり変わらないこともあります。
- 昼夜逆転している
- ゲームや動画の時間が長い
- 相変わらず学校には行けない
そのため、「本当に回復しているの?」と感じてしまう方も多いです。
けれど、この時期は、外からは見えにくいけれど、内側では回復が進んでいることが少なくありません。
本人の中では、少し落ち着いてきたからこそ、
「何がしんどかったんだろう」
「どこで無理をしていたんだろう」
そんなふうに、過去や内面を振り返りながら、原因と対策を探していることもあります。
この整理は、簡単ではありません。だからこそ、少し時間が必要になります。
ここで無理に動かそうとすると、せっかく生まれ始めた余裕が、また一気に消えてしまうこともあります。
「何も変わっていないように見える時期」も、回復の大切な一部です。
実は、本人は、内面に向き合い、「何が悪かったのか」などと自問自答しています。
その自問自答は難しく、少し時間が必要です。
【第3段階】試し始める時期(少しずつ外に向かう)
本人の中で不登校原因の整理がついてくると、少しずつ変化が見え始めます。
・本人から、将来や進路の話が出る
・外に出てみようとする
・誰かと会ってみたいと言う
とても小さな変化ですが、
この「本人発信」が出てくるのが、
この段階の大きな特徴です。
ただ、この時期は、
周囲が先回りしすぎると、
また止まってしまうことがあります。
「せっかくだから、次もやろう」
「この勢いで進めた方がいい」
そう思ってしまう気持ちも分かりますが、
試すペースは、本人に任せることが大切です。
成功させなくてもいい。
うまくいかなくても戻ってこられる。
そんな余白が、次につながっていきます。
(余白が大きいことを大事にしてください。)
【第4段階】定着させる時期(通い始めた後の調整)
最後の段階は、「通い始めた後に、安定して続けられる形に整えていく時期」です。
ここで大事なのは、「外とつながること」そのものではなく、
本人に合った場所に、楽しく・楽に通える形で定着していくことです。
多くの場合、その場所は学校であることが多いですし、
元の学校でも、進学先でも、通信制でも、専門学校でも大学でも、どこでも構いません。
大切なのは、「合っている場所で、続けられる形」になっていくことです。
そして実際に通い始めると、ここで“予想外のしんどさ”が出てくることがあります。
- 思っていたより授業中の音がつらかった
- 友だちを作りたかったけど、距離感が難しかった
- 疲れやすくて、生活が崩れやすかった
このタイミングで、本人が困っていることを具体的に拾って、
小さく調整しながら、「続けられる形」にしていく。
復帰期(定着期)の支援は、ここが本番だと考えています。
「今どの段階か」が分かると、やること・やらないことが見えてきます
ここまで読んでいただいて、
「うちの子は、今どのあたりなんだろう」
と考え始めた方もいるかもしれません。
回復ステップの考え方で一番お伝えしたいのは、
段階によって、正解が変わるということです。
逆に言うと、
「今やらなくていいこと」が分かるだけでも、
気持ちはずいぶん楽になります。
段階によって、正解の関わり方は変わります
不登校のご家庭を見ていると、
よくこんな声を聞きます。
「○○さんのところは、もう動き出しているみたいで…」
「ネットでは、こうした方がいいって書いてありました」
でも、他の家庭の話が、
そのまま自分のところに当てはまらないのは、
とても自然なことです。
今が第1段階なのか、
第2段階なのか、
それとも試し始める段階なのか。
立っている場所が違えば、必要な関わり方も違います。
- 止まる時期に、前に進ませようとすると苦しくなる
- 余裕を生む時期に、すぐの変化を求めると不安が増える
- 試す時期に、失敗を怖がらせると動けなくなる
- 定着の時期に、困りごとを置き去りにすると続きにくくなる
どれも、よくあることです。
「うまくいっていない」のではなく、
段階に合っていないだけ、というケースも少なくありません。
迷ったときは、「前に進めよう」としなくて大丈夫です
関わり方に迷ったとき、
「何か一歩進めた方がいいのでは」と思ってしまうかもしれません。
でも、回復のプロセスでは、
前に進めようとしないことが、支えになる場面もあります。
今は、守る時期なのかもしれない。
今は、待つことが一番なのかもしれない。
そう考えられるだけで、
声のかけ方や、家の空気は変わっていきます。
お母さん自身が、
「これでいいのかな」と自分を責め続けていると、
その緊張は、どうしても伝わってしまいます。
まずは、
「今はこの段階なんだ」と整理できること。
それだけでも、十分な関わりです。
回復のペースは、それぞれ違っていい
最後に、
多くのお母さんが一番気にしている問いに触れておきます。
「結局、いつまでかかるんでしょうか」
時間がかかること自体が、失敗ではありません
不登校の回復には、
数か月で進むケースもあれば、
年単位でじっくり進むケースもあります。
時間がかかると、
「このままずっとなのでは」
と不安になるのも無理はありません。
でも、支援の現場で見ていると、
時間をかけて回復した子ほど、後半が安定する
ということも多くあります。
急がずに立て直した分、
自分の感覚で選び、進める力が育っていく。
遠回りに見えても、
決して無駄な時間ではありません。
一人で抱えなくていい、という選択肢もあります
ここまで読んで、
少し頭の中が整理された方もいれば、
逆に、いろいろ考えて疲れてしまった方もいるかもしれません。
不登校は、
家庭の中だけで抱え続けるには、
どうしても負担が大きい問題です。
支援を受けるというのは、
「今すぐ何かを変えるため」だけではありません。
・今の段階を整理する
・関わり方が合っているか確認する
・お母さん自身が、少し楽になる
そんな目的でも、十分です。
もし、
「一人で考えるのが少ししんどくなってきたな」
と感じたら、
話すだけでも大丈夫です。
回復は、
早く終わらせるものではなく、
その子らしく生き直していくプロセスだと、
私たちは考えています。
焦らなくて大丈夫です。
今いる場所から、少しずつで構いません。
もし、
「うちの子は、今どの段階なんだろう?」
「この関わり方で大丈夫なのかな?」
と感じたら、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です。
ステップでは、今の状態を一緒に整理しながら、
無理のない関わり方を考えるお手伝いをしています。
話すことで、少し気持ちが軽くなることもあります。
いま、どの段階にいるのかが分からない方もいるかもしれません。
一人で抱え込まず、整理するところから一緒に始めることもできます。
良ければまずは話してみませんか。
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