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2026.02.03

家庭の整え方

ゲーム制限を厳しくすると不登校になる?中学生のケースから考える


不登校の相談で多い「友達ができない」という悩み

先日、ご相談を受けたケースについて、考えさせられることがあったので、今日はそれをブログに書いてみようと思います。

ある中学生の男子の不登校のケースでした。
相談内容は、「友達ができなくて、学校が楽しくない」というものでした。

中学生の不登校ケースでよく聞く相談内容

お話を伺う中で出てきたのは、
「お父さんが生真面目で、細かい注意が多い。そのせいで、本人が友達を作りにくくなっているのではないか」
という見立てでした。

親の関わり方が原因だと考えてしまう背景

確かに、そういうケースはあります。
やったこと、やろうとすることに対して注意されることが多いと、
子どもはだんだん、自分で判断する場面で
「これをやったら、親に怒られるかもしれない」
と考えるようになります。

その結果、行動そのものを控えるようになってしまう。
そういうケースは、実際にあります。


詳しく話を聞いて見えてきた、意外な共通点

ただ、今回の話を聞いていて、
「それだけで不登校になるだろうか?」
という感覚も、正直ありました。

注意や指摘の多さだけでは説明できない違和感

そこで、さらに詳しくお話を聞いていきました。
1時間ほどお話を伺った頃、あることが見えてきました。

1時間ほど話して分かった「ほとんど遊んでいない」という事実

この子は、ほとんど遊んでいなかった のです。


不登校の背景にあったゲームの時間制限

本人が好きな遊びはゲームでした。
ただ、そのゲームは 1時間に制限 されていました。
きっちり1時間です。(中学生です)

中学生でも「1時間まで」に設定されていた理由

ゲームを買ったときの約束は、平日30分。
中学生になって制限は緩和されたものの、それでも1時間まで。
設定で自動的に制限がかかり、1時間経つと切れるようになっていました。

自動で切れるゲーム制限が作っていた状況

おそらく、そういう制限をしないと宿題をしなかった、という事情はあったのだと思います。
その点は、理解できます。

ただ、それにしても、
遊びとしての1時間は、かなり短い と感じました。

▲ゲームをしながらノートPCで仕事をする私。


ゲーム時間を守ること自体は悪いことではない

今、学校が推奨しているメディアの利用時間は、1時間程度だったと思います。

学校が推奨するメディア時間との関係

それを、ご両親はとても真面目に守っておられた。
それ自体は、決して悪いことではありません。
大切な姿勢だと思います。

家庭として真面目にルールを守っていたケース

ただ、私個人の感覚としては、
遊びの場面で 毎回1時間でいなくなる子 を、
だんだん誘わなくなってしまうと思います。


遊びとして成立しなくなる瞬間

毎回1時間で終わる子が誘われなくなる理由

遊びとして成立しないからです。
結果的に、一緒に遊ばなくなります。

友達関係に必要な「魅力」と「条件」

偏った考え方かもしれませんが、
「友達になりたい」と思ってもらうには、
多少の魅力が必要だと思います。
もちろん、これは相性ありきの話です。

ただ、ゲームを一緒にやる相手として、
「1時間で必ず終わる」という条件は、
魅力や相性の話以前の問題だとも感じます。


ゲームを制限しなければ不登校にならなかったのか

では、
「ゲームを制限していなければ、不登校にならなかったのか」
というと、私は そうではない と思います。

制限を外しても別の形で起きていた可能性

もしゲームばかりして、宿題をしなくなり、
授業についていけなくなっていたとしても、
別の形で、不登校になっていた可能性は高いと感じます。

「ゲーム=原因」と単純に言えない理由

ゲームは原因というより、
結果として目に見えやすかっただけ、
という印象です。


今回のケースで一番の問題だったこと

では、今回、何がまずかったのか。

子どもが自分で失敗する経験を持てなかった点

それは、
子どもが「自分で失敗すること」を、両親が許容していなかったこと
だと思います。

機械的な制限が奪っていた「選ぶ余地」

1時間経つと、自動で機械が制限して切れる。
それは、「仕方ないこと」「ルールだから」「当然」という扱いになります。
そこには、逃げ道がありません。

延長して欲しくてお父さんに連絡しようとしても、
スマホ持ち込み禁止の職場であれば、制限解除はできない。
そもそもお父さんに連絡しても、延長してくれそうにない。

これは、お父さんが子どもだった時代の門限などの制限とはレベルの違う制限です。

つまり、本人が
「今日は、いつもよりもう少しやるべきだ」
「今日は、ここまでやりたい」
と感じたとしても、それができない状態です。


自分で決める経験が子どもを支える

あがく・失敗する・叱られる経験の意味

その状態が続くと、
子どもはだんだん
「自分で決められない存在」
になっていきます。

失敗を少しして、
うまくいかなかったり、
あがいたり、
場合によっては叱られたり、ペナルティを受けたりする。

▲水あめを練って食べてを繰り返していたら、ほぼ食べ終わりそうな状況の生徒の画像。

長期的に見ると不登校になりにくい関わり方

その経験の方が、
長期的には良いと、私は思います。

少なくとも、
不登校にはなりにくいと感じています。


家庭でのルールや関わり方は、
子どもの状態によって、合う・合わないが大きく変わります。
「今は何を優先すべき時期なのか」という視点については、
こちらの記事でも詳しく書いています。
甘えたらいけないのか?①