Blog

不登校の支援が合わなかった|適応指導教室・フリースクールで続かない理由

マッチングが大事というイラスト 不登校 中学生 高校生 解決 岡山市

こんにちは。NPO法人ステップの原です。

今日は、「支援に行ってみたけど合わなかった」というお話です。
このケース、想像以上に多いんです。

「うちの子はどこに行ってもダメなのかも」

適応指導教室に通わせてみたけど続かなかった。

フリースクールを見学に行ったけど、子どもが嫌がった。

学校でカウンセリングを受けてみたけど、効果が感じられなかった。

こういう経験が重なると、「もしかして、うちの子に合う場所は無いんじゃないか」と思ってしまいますよね。

でも、それは違うと思います。

合わなかったのは、お子さんの問題ではなくて、マッチングの問題です。

(マッチングアプリに例えると、恋人を探している人と物件を探している人が、合わないと言っているようなものです。前提が違うのです。(例えが悪い気がする…))

適応指導教室の不登校支援が悪いのか

「適応指導教室が悪い。」
私も、10年以上前はそう考えていました。

私は倉敷の適応指導教室に通っていました。
そのときはすごく楽しく通うことができ、どんどん回復していきました。

だから、支援者になり「適応指導教室に行ったけど合わなくて」と言われる度に、
適応指導教室について(こそっと)嘆いていました。

NPO法人ステップでは、
倉敷の不登校担当の先生の研修会を担当させていただいたり、
岡山市の適応指導教室を改善するための調査事業(岡山市教育委員会指導課との協働事業、H31年度)を担当しました。

倉敷市の教師カウンセラー研修の様子

▲倉敷市教師カウンセラー研修(中学校)の様子

だから断言します。
先生も、適応指導教室は悪くありません。

合わないのは当然のことです。
前提が合っていないのです。

合わないのは当然のこと

適応指導教室は、在籍校への復帰を前提とした公的な支援です。
集団活動に向けて進むことが中心で、ある程度の「社会」が求められます。

フリースクールは施設ごとに方針が大きく違って、自由度が高い反面、合うかどうかは行ってみないと分からない。
「運営者」の考えに左右されます。

これらの支援はどれも、マッチする子には価値のあるものです。

ただ、共通する課題があります。
「うちの子の生き悩み」に合わせて作られたものではない、ということです。

「社会」または「運営者」にマッチした場合のみ、うまくいきます。
だから、マッチする確率は20パーセント以下だと思います。

不登校の生き悩みは一人ひとり違います。

集団が苦手な子もいれば、そもそも外出が難しい子もいる。
コミュニケーション以前に自己肯定感が崩れている子もいるし、
勉強の遅れが一番の不安だという子もいる。

標準的なプログラムに合う子もいれば、合わない子もいる。
合わなかったからといって、落ち込む必要はまったくありません。

例えば、こういうことです↓

以前の生徒で、
「どうしても勉強していたら気が散ってしまう。どうしたらよいか」
とご相談をお受けしたことがあります。

私は
「気を散った状態のまま勉強しよう。」とお答えしました。
そこから楽しい試行錯誤が始まりました(笑)

でも、ご本人は、うれしそうに一緒に考えてくれました。

腹筋しながら勉強

▲EMSで腹筋を鍛えながら数学をする風景

ご本人に合うかどうか、ご本人が求めていることはなにか。
それが大事です。

(難しいんですけどね。。。)
ちなみに、この「気が散りながらなら勉強できる」という発想は、毎年やっています。
(今年の生徒は、スマホで無料ゲームをして、待っている数分の間だけは勉強できるというものでした)

「合わなかった」子こそ

実は、ステップに来てくださる方は、「いくつか回ったけど、どこもダメだった」という方がほとんどです。

ステップでは、まずその子の生き悩みが何なのかを一緒に見極めて、その子に合った形で支援の内容を組み立てます。

「一律のプログラムに合うように本人をなんとか寄せる」のは大変です。
そうではなく、「プログラムをその子に合わせて作って、ただその子が始める」
そっちの方が良いです。

だから、ステップの支援のやり方は、「ひとりひとりに本当に合わせる支援」です。
生き悩みは、ひとりひとり違うから、その回復の方法もひとりひとり違います。

むしろ、違った方が、楽しく楽に、早く確実に回復できます。

スタッフは、本人に合うスタッフが担当します。
趣味や価値観などの仲良くなりやすさと、回復のしやすさのバランスを考えて、担当者を選びます。

支援者ひとりには、20%しか会わないので、15人の支援者がいるステップでは、20%×15人で、300%合います。

支援中も、全員違います。
たとえば、同じ「人間関係の悩み」を話すときも、こんなにも違います。

  • 「コミュ力を上げたいのね。了解。一緒に練習しよう」とある子には話すべき
  • 「友達に話しかける勇気ね。アドラー心理学を教えるよ。」とある子には話すべき
  • 「そう考えたのか。確かに、哲学的には、人は、そもそも一人が前提だから…」とある子には話すべき
  • 「じゃ、その人の嫌いなポイントをリスト化しよう。ChatGPTに聞いてみよう」とある子には話すべき

本人ができるようにハードルを下げるよりも、
本人がやりたい支援を作った方が簡単で、効果的です。

個別最適化といいます。

公的機関は、公平と平等が前提

公的機関は、税金で運営しているので、公平と平等が前提です。
人事異動も必ず必要なので、誰が行っても大丈夫な支援しかしてはいけません。

だから、本人にとって必要な支援がそこにないなら、
それは、支援者が個人的に行って怒られるリスクを負うか、やらないか、を選ぶしかありません。

そういう前提なのです。

少し前に、不登校対応に熱心な学校の先生が「部活が終わって、残業して、21時から家庭訪問していた。もう今はできないが」と言われていました。

すごいですね!とお答えしましたが、しんどそうと思ってしまいました。
個人プレイで、プライベートを犠牲にしていて、限界があります。
「公」ではないわけです。

「どこに行っても合わなかった」というお子さんこそ、個別に最適化するように設計したオーダーメイドの支援が必要だと感じています。

個別最適化のイメージ画像。色づくりの授業

▲何やっているか思い出せないけど楽しそうな前の生徒の色の授業の写真

📞 お問い合わせはこちら → [電話番号・LINE・お問い合わせフォーム]