不登校の初期に、子どもが「動けなくなる」理由
こんにちは。
今日は、不登校のいちばん最初の時期についての話です。
「朝になると体が動かない」
「学校の話をすると、強く拒否される」
「何もしたがらず、家でじっとしている」
こうした状態を前にして、
「このままで大丈夫なんだろうか」
「何もしないでいるのは、甘やかしなのでは」
そんな不安を抱えているお母さんは、とても多いです。

まず知っておいてほしいのは、
この時期の「動けなさ」は、怠けでも逃げでもない、ということです。
防衛反応として止まっている
不登校の初期は、
本人の心と体が、これ以上つらくならないために止まっている状態です。
分かりやすく言うと、
ブレーキが壊れそうになって、
最後にギュッと強く踏み込まれているような感じです。
本人の中では、
- もう頑張れない
- これ以上は無理
- 同じ場所に戻ったら、壊れてしまいそう
そんな感覚が、言葉になる前に体に出ています。
だから「動けない」のは、
回復の途中で起きる、とても自然な反応でもあります。
本人も「休みたくて休んでいる」わけではない
実際の支援現場でも、
この時期の子どもたちは、心の中でとても葛藤しています。
「行かなきゃいけないのは分かってる」
「みんなは行ってるのに」
「自分はダメなんじゃないか」
そう思っているからこそ、
動けない自分を責めて、余計につらくなることもあります。
外から見える“何もしない姿”と、
中で起きている苦しさは、かなり違うことが多いです。
この時期に、無理に動かそうとすると起きやすいこと
「このままずっと家にいたらどうしよう」
「少しは動かした方がいいのでは」
そう考えてしまうのも、無理はありません。
ただ、この初期の段階で
無理に何かを変えようとすると、
かえってしんどさが増してしまうことがあります。
良かれと思った声かけが、逆に負担になること
- いつになったら行くの?
- そろそろ考えたら?
- このままじゃ困るよ
どれも、心配から出る言葉だと思います。
でも、この時期の本人にとっては、
「考える」「決める」「動く」こと自体が、
とても大きな負荷になります。
責められているつもりはなくても、
「追い詰められている」と感じてしまうことがあるんですね。
「今は無理」というサインが強くなる
無理に動かそうとすると、
- 感情が荒れやすくなる
- 体調不良が増える
- 家庭内での衝突が増える
といった形で、
「今は無理」というサインが、より強く出ることがあります。
これは失敗ではなく、
まだ守る段階だよという、体からのメッセージです。

「守る」「止まる」という関わり方の意味
不登校の初期によくお伝えしているのが、
「今は、守る時期です」という言葉です。
何もしない=放置ではない
「何もしない」と聞くと、
放っておくようで不安になるかもしれません。
でも、ここで言う「何もしない」は、
- 無理に変えようとしない
- 先の話を急がない
- 本人のペースを尊重する
という意味です。
見えないところで、
回復に向けた準備が始まっている時期でもあります。
家庭が“安全な場所”になるということ
この段階でいちばん大切なのは、
家庭が「これ以上頑張らなくていい場所」になることです。
評価されない
急かされない
比べられない
そう感じられる時間が、
少しずつ心のエネルギーを回復させていきます。

母親が感じやすい、罪悪感や焦りについて
この時期、
お母さん自身がとても苦しくなることも多いです。
「私の対応が悪かったのでは」と思ってしまう気持ち
- あの時、もっと気づいていれば
- 厳しくしすぎたのかもしれない
- 甘やかした結果なのでは
こうした思いが、頭をぐるぐる回ることがあります。
でも、不登校は
誰か一人のせいで起きるものではありません。
たくさんの要因が重なって、
あるところで限界を迎えただけ、というケースがほとんどです。
比べてしまうほど、苦しくなる構造
他の子と比べてしまったり、
ネットの情報を見すぎたりすると、
不安はどんどん大きくなります。
「うちは遅れているのでは」
「対応を間違えているのでは」
そう感じたときほど、
いま目の前にいる“その子の状態”に戻ってみてください。
「今はこれでいい」と思えるための視点
回復には、順番がある
不登校の回復は、
止まる → 整う → 動き出す
という順番をたどることが多いです。
いまは、その最初の「止まる」段階。
ここを飛ばすことはできませんし、
無理に早める必要もありません。
全体像を一度、整理してみる
もし、
「この先が全く見えなくて怖い」
「いつまで続くのか分からない」
そう感じている場合は、
回復の全体像を一度、整理して見るのも一つです。
▶︎ 不登校はこうして回復していきます
(回復ステップの全体像)
→リンク:https://npostep.com/1658/
いまがどの位置なのかを知るだけでも、
少し気持ちが落ち着くことがあります。
さいごに
不登校の初期は、
子どもだけでなく、親にとっても本当にしんどい時期です。
何もしていないように見える時間は、
実は「壊れないために、必死で守っている時間」でもあります。
焦らなくて大丈夫です。
今は、「これでいい」と思えなくても大丈夫です。
少なくとも、
いま止まっていること自体が、
回復の一部であることは、知っておいてください。
一人で抱え込まなくていいですよ。